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Channel: - 球爺 残日録 -
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「変態による変態のための整流管比較(整流効率)」

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今回は球アンプの平滑回路に使う整流管について、変態(球爺)による変態(皆様方の一部)のための比較記事であります(笑)。


以前記事にしたと思いますが、整流管の違いによって出音が微妙に違う理由を考えたことがあります。

例によって理論の裏付けはないのですが、往々にして内部抵抗が高い整流管の方が好ましい出音に感じることがあります。

これをそのまま受け止めると、整流効率(電源トランス2次タップ電圧と整流後電圧の比率)の劣る球の方が音が良いということになってしまいます。

しかしながら、これについては拙い経験から全面的に賛成しかねることでもあり、今回、同じパワーアンプを使って、何本かの整流管を差し替えて出力管のプレート電圧などを測定してみました。


パワーアンプは自作「WE101D PP」を使いました。DC電流がトータルで90mA程度なので、USソケットの整流管なら大抵の球が使えます。

イメージ 1


以下が設計上の想定回路定数ですが、余裕含みです。

☆プレート電圧       200V前後
☆プレート電流       20mA(片チャンネル1本分)
☆自己バイアス抵抗値    325Ω(片チャンネル共通)
☆カソード電位(バイアス) 13V

イメージ 2

電源トランスのB電源2次タップ220Vを使った両波整流方式なので、整流効率の分母は220Vになります。


用意した整流管は下の写真の通りであり、直熱管4本と傍熱管4本、それにSBD(ショットキー・バリア・ダイオード)を使った出川式整流器(5U4Gタイプ)も比較対象にしました。

○直熱整流管、SBD
イメージ 3

○傍熱整流管
イメージ 4



数字が並びますが、各整流管の整流効欄に注目願います。

当然ながら、あらゆるケース(アンプ)でこの数値・順番ではなく、拙「WE
101D PP」(平滑回路一次コンデンサー16.8μF)に挿したときの測定値であることをお断りしておきます。


 銘柄     プレート電圧 プレート電流 バイアス電圧   整流効率
①5R4GY   209.1V   20.6mA   13.4V    95.0%
②4274B    208.5V   20.6mA   13.4V          94.8%
③274B刻印  195.2V   18.9mA   12.3V          88.7%
④5U4G    204.6V   20.0mA   13.0V          93.0%
⑤SBD      222.3V   22.5mA   14.6V        101.0%
⑥GZ32    233.0V   23.5mA   15.3V        105.9%
⑦GZ34    243.6V   24.9mA   16.2V        110.7%
⑧GZ37    224.2V   22.5mA   14.6V        101.9%
⑨WE422A   235.2V   23.8mA   15.5V         106.9%

(注)各項目の赤字は最上位青字は最下位



以下、偏見に基づく独断であります(自爆)。

A.アンプビルダーの間では、③WE274B刻印が音質最上位、⑦GZ34(5AR4)が整流効率最上位という見解が多いようですが、上記でも⑦GZ34の整流効率の良さがダントツでした。

B.④5U4Gの整流効率はもっと良いのではと思っていましたが、個体差かもしれません。

C.⑧GZ37の方が⑥GZ32より整流効率が良いと思っていましたが、逆でした。

D.①5R4GYと②4274Bは共にSTC製ですが、この測定結果をみると、前から疑っていた通り同じ種類の球(②は①のリプリント)ではなかろうかと思います。

E.出音の差は今回の比較では記しませんが、⑨WE422Aは押し出しが強くてバタ臭い音でした(笑)。




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