書名から推察できますが、ピアノ調律師の物語です。
主人公の新人調律師が、思い切って会社の先輩の名調律師に目指す音を訪ねた際の回答が下記ですが、これまで自分がブログなどで使った表現と大きく違っており、「文体」を「音」に替えるまでもなく強く胸を打たれました。
明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体 (原民喜の文章)
音楽に深く踏み込んだ小説は下の写真の恩田陸『蜜蜂と遠雷』に続いてですが、この『羊と鋼の森』の方が読み始めて直ぐ内容に引き込まれました。