面倒くさくならない内に続きを書くことにする(笑)。
第二回 ドイツ出力管を搭載したパワーアンプ
英国球の続きはドーバー海峡を渡ってフランス球といきたいが、残念ながら直熱三極管は持っていないので、ドイツ球を使ったパワーアンプを記すことにする。
ドイツの直熱三極管(受信管)で有名な球は『Ed』、『AD1』、『RE604』あたりとなろうが、『AD1』は復刻を2本、『RE604』はTFKのナスとドームを2本ずつ持っている。
『Ed』は持っていないが、AKBショップの店長から『AD1』の業務用だと教えられたので、音はそう変わらないだろうと思うことにした(笑)。
☆「AD1シングル」
アンデイクス・オーディオ製「300Bシングル」を小改造
○使用管 『6B-R22』、『AD1』、整流は出川式真空管タイプ
○回路 トランスドライブ2段増幅シングルエンドアンプ
○コスト 30ユキチ
『WE300B』(刻印)が手に入ったとき肝心のアンプがなかったので、急遽買い求めたアンプである。刻印を鳴らすとなると拙作ではアカンと思ったためである(笑)。
初段はNECの通信用5極管を使い、UTCの段間トランスでドライブするこのアンプの出音は【端麗】であり、復刻ながらメッシュプレートが効いているのではないだろうか。
重量は40kg超で、殆どがツゲ電機製トランスの重さである。
☆「RE604 PP」
○使用管 『ECC33』、『RE604』、『AZ12』(整流管)
○回路 トランスドライブ2段増幅プッシュプルアンプ(モノx2台)
○コスト 40ユキチ
「DA30シングル」を作ってから俄然欧州管に興味が涌き、初期のナス管でシングル(ステレオ)アンプを作った。
出音が好みだったので、その後ドーム型の出物も2本確保していたが、昨年、それまで作っていなかったモノラルタイプ2台に作り変えた。
回路は、UTCの段間トランスとTRIAD出力トランスを使ったトランスドライブなので、独・米(・日)の混血アンプということになろう。
出音は【峻厳】そのものであり、英国管をサーベルとするなら、これはゾーリンゲンのナイフのような切れ味だ。